T.ビリルビン代謝
A.概略
ヘモグロビンなどのヘム蛋白は非抱合ビリルビンunconjugated bilirubin(UB)となりアルブミンと結合して肝へ運ばれる。肝細胞に取り込まれたUBは小胞体で抱合ビリルビンconjugated bilirubin(CB)となり、胆汁として排泄される。腸内で腸内細菌によって還元され、ウロビリノーゲン、ステルコビリンなどの色素となって、大部分は便中に排泄される。
B.ビリルビンの生成
ビリルビンの源泉には3要素ある。老廃赤血球由来UBは老廃赤血球が網内系の細胞に取り込まれて、そこで崩壊したヘモグロビンから生成され、ビリルビンの80%を占める。また、早期(シャント)ビリルビンが残りの20%を占め、これには造血性成分と非造血性成分がある。
造血性成分:無効造血(骨髄で生成直後に崩壊する赤血球ヘモグロビン由来)
非造血性成分:チトクローム、カタラーゼ
C.血中のビリルビン
総ビリルビンは直接型と間接型に分類される。UBは脂溶性で水には溶けないため、血中ではアルブミンに結合して運搬される。アルブミンは2ヶ所のUB結合部位を持っている。
D.肝のビリルビン処理
l 肝細胞の取込:肝細胞によるUBの摂取は細胞膜に存在するcarrier proteinによって行われている。取り込まれたUBは細胞内の結合蛋白と結合し滑面小胞体へ移送される。
l ビリルビンの抱合:肝細胞の滑面小胞体でグルクロン酸を転移するbilirubin UDP glucuronyltransferase(BUDPGT)によってUBはCBに変化する。このようにビリルビンの抱合によって、ビリルビンは水溶性となる。
!doctype>