アダパレン(ディフェリン)−ニキビ治療と肌の若返り−トレチノインとの比較 - 25no12 Blog−美容医療の話題とネイチャーフォト
このところたびたびアダパレン(ディフェリン)の話題をこのブログで取り上げています。
アダパレン(ディフェリン)−にきび治療薬
アダパレン(ディフェリン)試用
アダパレン(ディフェリン)試用 − 続き (にきび治りました)
要約すると、欧米でニキビの第一選択薬として広く用いられているアダパレン(ディフェリン)が昨年から日本でも健康保険でも使えるようになったけれど、私が勤める病院でまだ採用されていないので、国内販売元の塩野義製薬の営業のお兄さんに病院にきてもらって、院内採用に向けて調整をしているところ。
その際にサンプルを持ってきてくれて、ちょうど私自身にニキビができていたので、自分自身で試用して効果(3日でほぼ治りました!)と副作用(幸いまだ出てません!)をレポートしました。
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みなさん、ディフェリンの口コミ情報に関心があるのか、このブログへのアクセスがいくらか増えているようです。
ついでに写真を見ていって気に入っていただけるとうれしいのですけど・・・・・・見てくれてるかな・・・・・・。
さて、アダパレンと同じレチノイドのトレチノイン(こちらは国内未発売、レチノイドとして欧米では先発)は、患者さんへ自費でよく処方していて、ニキビや肌の若返りによく効くことは体感しています。
私自身は、アダパレンとトレチノインと比較してどうなのか?に興味があります。
そこで、再び塩野義の営業のお兄さんに資料を持ってきてもらいました。
まず、レチノイドの受容体RARは、α、β、γの3種類あるのですが、アダパレンはβとγ特異的、トレチノインは3種類全部と結合します。
受容体とのアフィニティ(結合親和性)はいずれのタイプの受容体に対してもトレチノインがアダパレンの数倍強力です。
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実際の効果や副作用の比較は、同じ濃度での研究は稀で(PubMedサーチしたらありましたが)、アダパレン0.1%とトレチノイン0.025%がだいたい同等ということらしく、よく比較されています。
(ちょうど発売されている製剤のいちばん薄い濃度どうしの比較になってます)
結論を大雑把に言うと、副作用はアダパレン0.1%がトレチノイン0.025%の半分くらい(つまりアダパレンの方が副作用が少ない)。
効果は、使用開始1週間でアダパレン0.1%がトレチノイン0.025%より優れていて(1.5倍くらい)、長期間(12週間)継続使用後ではあまり変わらない(どちらでもニキビが著明に改善)、という内容でした。
すなわち、アダパレンの方がトレチノインよりも副作用が少なく、速やかに効果がでるということで、ニキビの治療目的では、アダパレンに軍配が上がりました。
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美容目的ではどうか?
残念ながら、アダパレンは米国でもニキビ治療薬としてしか認可されておらず、アダパレンを美容目的で使用した研究報告は極めて限られています。
ある研究では、アダパレンとトレチノインの処方パターンを解析して、高齢者の肌の若返り目的では、アダパレンはほとんど用いられておらず、トレチノインが用いられていると結論づけています。
トレチノインは、シワの治療でFDAから認可されているので、FDAの認可通りに使われているということですね。
それでも注意深くPubMedサーチすると、アダパレンをシミ治療に用いたとか、アダパレンによるコラーゲン産生(肌のハリやシワの改善につながる)を調べた論文は見つかりました。
アダパレンによる肌の若返り効果はあるようです。
トレチノインと比べて効果が高いか低いかまでは分からないのですが、副作用が少ない分、患者さんによってはアダパレンを使うのが良い場合もでてきそうです。
美容目的での使用は、少しずつ使ってみて患者さんの反応をみていくことになりそうですね−。
ちなみに、妻にも数回塗布しましたが、肌がボロボロ落ちてきて赤みがでてきて、休薬中です(本当はこれを乗り越えて使っていくのですけど)。
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