ビューティアップ・セラピー|株式会社コーセー
肌は、内臓の鏡ともいわれます。身体に起こったことは、何らかの形で表面の肌にもあらわれてくる…。
肌と心も、それと似たような関係にあります。例えば、ストレスでニキビが増えるという話をよく聞きますが、ストレスがかかるとストレス物質が生じ、ニキビ発生の原因につながることがわかっています。つまり、皮膚科学的にも、ニキビとストレスの関係は証明されているんですね。
そう言ってもいいでしょうね。コーセーと医療機関が共同で行った研究では、アトピー性皮膚炎の患者さんに乳液を継続利用してもらったところ、多くの方のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)が向上しました。保湿効果が高く使い心地のいい乳液を使用したことで、乾燥による"皮膚のかゆみ"という、患者さんにとっての強いストレスが軽減されたことが大きな理由のようです。スキンケアによって、肌とともに心にも変化があらわれたことがよくわかる研究事例といえるでしょう。
ここで興味深いのは、スキンケアを行う気持ちや姿勢も、肌への効果に影響をあたえているかもしれないということ。新商品の試用試験結果などを見ても、「キレイになりたい」という期待感が強い方ほど、良い結果が出る傾向が高いんです。
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もちろん、期待感だけではなく、面倒くさがらずに適切な使用量で化粧品を使用しているはずなので、さらに良い結果につながっている可能性もあります。正しいスキンケアをして理想の肌に近づいていくと、お手入れをすることが楽しくなるので、さらにきちんとケアをするようになる…。そんなことも肌への相乗効果を生み出しているのではないでしょうか。
最近、メイクをすることで心を癒し、社会性やコミュニケーション力を高めようとする"メイクセラピー"という分野が注目されているように、化粧を施すことも心に何らかの影響をあたえると考えられています。内向的な方がメイクの効果を受けて普段のときよりも人との距離(パーソナルスペース)が近くなったという研究事例もあります。
メイクには、人に自信をあたえる力があるのかもしれません。実際、みなさんにも、きちんとメイクをしたら意見がはっきり言えた、とか、やわらかなメイクをしたら何となくフェミニンなしぐさになった、という経験があるのでは。
例えば就職活動のときなどは、控え目なメイクはかえってぼやけたイメージになりがちなため、アイラインをきちんと引くなど、相手に意志が伝わるようなメイクをおすすめします。そのほうが、面接などでもやる気や真剣さが伝わりやすくなり、自分自身も積極的に発言できるようになるのではないでしょうか。
スキンケアもメイクも、まずは"ゆっくりとていねいに"をモットーにすると、肌にも心にもよい変化をあたえることができると思います。スキンケア講座等でお手入れの実習を行うときにも、まずやさしくゆっくりと肌に触れるように指導させていただきます。そしてお手入れの最後に、ハンドプレスをするように指導させていただくと、それまでザワザワしていた会場が急にシーンとなって、みなさんとてもリラックスした表情になるんです。
ゆっくりとスキンケアをすることで、心が安らぐのはもちろんなのですが、ていねいな動作できちんとクレンジングするということで、メイクをしっかりと落とすことはもちろんですが、その後に使う化粧品をより浸透させることにもつながったりと、実はいいことづくしなんですよ。
それから、自分をよく観察して、なりたい女性像をもつことも大切。メイクをするときも、自分の顔の形や造作などとともに今の気分もよく観察して、そのうえでどんな風に見られたいのかを考えてみましょう。それがわかれば、最近怒りっぽいからやさしめのチークで心を晴れやかにしようとか、メイクで気持ちをチェンジすることも可能になるかもしれません。
そういう意味では、スキンケアとメイクは、自分と向き合う時間をあたえてくれるものともいえるでしょう。ちょっと元気がなくても、朝メイクをしているうちに心が癒されて「今日もがんばろう」と思えてきたり、夜ゆっくりスキンケアをしているうちにパワーが充電されたり。スキンケアやメイクを義務的・作業的に行うのではなく、気持ちや気分を切り替えるスイッチとして上手に利用して、いつも心豊かに過ごせるといいですね。
リラックスの効用をより活かしたスキンケアを実践したいなら、"マッサージ"と"香り"をとり入れてみるとよいでしょう。マッサージにリラックス効果があることはよく知られていますが、実際にマッサージをした直後に手のひらの温度を測ってみると、上昇していきます。これは、副交感神経が優位になっているサインで、つまりリラックスしているという証拠。
また、香気成分は、アロマテラピーでも利用されているように、香りごとにさまざまな心理作用をもたらします。心が安らぐ香りはいくつかありますが、たとえば、昔からお香の成分として使われてきたホワイトジンジャーに非常に高いリラックス作用があることが、コーセー研究所の研究によって解明されました。このホワイトジンジャーは実際に商品化もされていますが、こうした香りの効用によって化粧品をチョイスするのもひとつのアイディアです。リラックスしてスキンケアを行うと効果が高まるという事例も報告されていて、今後さらなる研究が期待されます。
ホワイトジンジャーの香りを嗅いだときの脳波を測定してみると、何も嗅いでいないときにはオレンジ色や赤色だったものが、青色に変化します。右の図は、香りによるリラックス作用が明らかとなったデータです。
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