薬物療法について

うつ病の薬物療法として抗うつ薬が使われます

抗うつ薬の服用で多くのうつ病の患者さんは改善します。そのうちの半分の患者さんは、抗うつ薬による効果に加え、服薬をしているという安心感により効果が倍増しているといわれています。いずれにしてもうつ病の治療で抗うつ薬のもつ役割はとても重要です。

慢性疲労症候群の症状

抗うつ薬はその効果が現れるのに、通常1〜2週間を必要としています

ところが口の渇きや眠気などの副作用はそれよりも早く、通常は服用後から現れてきます。このため薬の効果がすぐに現れないだけでなく、副作用が早く現れるために、この抗うつ薬は自分にあってないとか、恐ろしい後遺症を残すのではないかと不安になり、服薬を中断してしまう人がいます。抗うつ薬はじっくりと効いてくる薬ですから、あせらず主治医の説明をよく聞いて使ってください。

労作時にひどい頭痛

抗うつ薬は抑うつ気分を改善し、意欲を増してきます

気分の改善とともに睡眠や食欲も改善してきます。ただ気分と意欲の改善は並行して現れるとは限らず、意欲面の改善が先行することがあります。このときに気分は落ち込んでいるのに気力が出てくると、死にたいと思っている患者さんは自殺に走ることがありますので注意が必要です。

nauseauと鎮痛剤

眠気、口が渇く、小便や大便が出にくい、立ちくらみがするなどの副作用が見られます

この副作用は、服薬を続けていても1〜2週間のうちに軽くなったり、消えてしまうこともありますが、服薬を中止すれば、このような副作用は時間とともに消えてしまいます。しかし、副作用については主治医にきちんと相談し、早めに対処することが必要です。心配なときは、遠慮せずに事前に副作用とその対処について説明を受けておきましょう。

眠気にはコーヒー、口渇には十分な水分をとるのも方法です

口渇に対し、水分をとるだけで不十分なときには、ハッカ飴やチューイングガムをかむとましになります。便通の悪いときは主治医の先生に相談して便秘薬を処方してもらってもいいでしょうし、おへその周りを時計回りにマッサージしたり、水分を十分にとり、おなかをあたためたり、便秘体操をすることでもよくなります。目の焦点の合わないときや立ちくらみのするときには、主治医の先生に相談して別のタイプの抗うつ薬にかえてもらうことも考えてください。特に立ちくらみのあるときは急に立ち上がって転び、けがをしたら大変ですから急な動作は控えるようにしましょう。

精神療法について

うつ病ではむやみに励ますのではなく、患者さんの話に共感するようにして気持ちを支えてゆく精神療法が基本となります。傾聴と受容が基本です。

また、うつ病に特徴的な物事を悲観的にとらえ、無能だとか、浮かばれない境遇に生まれたと自分を否定するような見方を修正していくような精神療法、認知療法も有効だと言われています。